ストーリーの演出の仕方について考えてみた
どうもたつぷりです.ゲーム開発をちまちま進めてきて,ゲームシステムやUIも少しずつできてきたので,徐々に「それっぽさ」は出てきたと個人的には思えるようになってきました.
しかしまだ自分が思うゲームの要素として足りないものがあります.それはストーリー性とそれを表現するイベントシーンです.これは私の趣味ですが,ある程度ストーリーのあるゲームの方がやりがいがあります(バトロワ系とかはそれはそれでめっちゃ好きですが...).
ストーリーをどう演出すればいいのか?
というわけで,今回は自分の思うストーリーの表現方法についてまとめてみます.この記事ではストーリーそのものの構成法ではなく,ゲームを実装する際の演出の方法に的を絞って考えてみます.続く記事で具体的にイベントムービーの作成に取り組んでいく予定ですので興味のある方はぜひそちらもご参照ください.尚,ここではホラーゲームやアクションゲームのストーリーを念頭に置いていますのでご注意ください.
まずストーリーを演出するために可能な方法を(素人考えですが)私なりに列挙してみました.
- ステージ上の小物として新聞やレポートなどを配置し,過去に起こった出来事を書いた客観的な情報を開示することでプレイヤーに理解させる
- イベントシーンとしてムービーを再生し直接的にストーリーを演出する
- ステージの雰囲気・構造などからプレイヤーに悟らせる,ストーリーを理解するために重要と思われるものをただゲームの中に登場させプレイヤーに考察してもらう
などがパッと思いつくことです.それぞれについてもう少し考えてみたいと思います.
ステージに情報を開示のためのオブジェクトを配置(静的な情報開示)
- この方法はまず実装が非常に簡単です.ステージ中に適当に開示したい情報を格納したオブジェクトおくだけで実行でき,台詞や説明文を出すためのプログラムを既に書いていれば流用できます.
- この方法を使うと舞台となる場所などに関しての背景知識を提供することができます.
- またステージをすすめるに連れてより確信に迫る情報を開示していけばプレイヤーは真相に近づいていく高揚感や、情報によっては不穏さや恐怖を演出することができます.
- しかしこの方法ではプレイヤーに直接関係する出来事をストーリーとして演出できません.
例:研究施設の謎
例えば「この街にあった研究機関で実験中に事故が発生,研究者ら数名に精神異常などがみられその後死亡が確認された.」と書いた新聞記事などを配置しておけば,これだけでこのゲームでは何かこの実験に関わる敵が出てくるなということを印象づけられます.
ゲームが進行するに連れてさらに,「その実験のもみ消された事実」や「裏で糸を引いている人物からの指示」などが書かれたレポートなどのオブジェクトを配置しておくとゲームを進めるに連れて真実に近づいていく感覚を演出できます.
イベントシーンを用いる(動的な情報開示)
- 上の方法では文字や静止画と言ったものの情報しか与えられないのに対しこちらは映像として強制的にその世界を体験・追体験させることができます.
- ストーリーを直接伝えるための手段としてだけではなく恐怖を煽るような演出などにも使えます.
- この方法は没入感を与えることができる一方で作りが雑だとむしろ興醒めする危険があります.
例:敵に至る恐怖
過去に起きた事件を追体験するムービーを作ったとしましょう.それが,ある場所で強力な敵が現れ殺されるという旨のムービーだったすると,その後その場所に到達した際になにも説明しなくても「あいつが来る」と思わせることができるし,そこに至るまでの道中の所々をムービーに入れておけば,自分も敵に近づいている恐怖とそれと同時に核心に迫っていく高揚感といったを演出することができるでしょう.
プレイヤーに考察させる(消極的な情報開示)
- これを狙って演出するにはオブジェクトの配置など綿密な計画が必要
- プレイヤーが自ら考察ことで一層の没入感が得られる
- 難解なストーリーを理解したいと思わせることで,プレイヤーのゲームへの動機を提供する.
- やり込み要素の一つにもなる.
- 紙一重でわけの分からないだけの「クソゲー」になってしまう.
例:呪われた人形
ステージの最中で何度も同じオブジェクトを出すことをと考えます.簡単な例として,ホラーゲームで人形を何度もステージに配置することを考えてみましょう.こうするだけで「この人形の持ち主の呪いなのか...?」といったことをプレイヤーに悟らせることができます.さらにある場所では,人形が無惨な姿になっていれば「ここで何か事件が起きたのか?持ち主は何かに殺された?」と思わせたり,一方で人形が吊るされていれば,「持ち主は自殺したのか?」というように悟らせることができます.このようにオブジェクトの配置の仕方を変えるだけでプレイヤーに悟らせる内容は大きく変えることができそうです.
結局どう演出するのがいいのか?
上で見てきたように演出の方法にはいくつかの系統があります.そしてそれらには長所短所があるので自分の望む演出,開示したい情報の種類に応じて使い分ける必要があるのは確かだと思います.
それと同時にどれか一つの表現方法に固執してしまうのもプレイヤーを飽きさせてしまうのかもしれません.複合的に用いることでメリハリをつけたりストーリーを伝えやすくなるかもしれません.
- 例えば,始めのうちは消極的な情報開示で不安を煽りつつ話に引き込み,徐々に静的・動的なな情報開示で答え合わせをしていくような方法をとると,プレイヤーは謎が解けていく感覚を楽しむことができます.
有名なゲームでの例
バイオハザード7の内容を思い出すと(一応ネタバレしないように陽には書きません),
- 最初の方で何度もお婆さんが出てきます.これは消極的な情報開示と考えられます.
- 最終的には研究に関してのレポート見つけたり,戦闘シーン前のイベントなどで真相に迫っていきます.
- また最終的にあえて謎を残した状態で終わるのも考察のしがいがあってプレイしたあとでも楽しませることができる演出と言えるかもしれません.
- このゲームでは途中でプレイヤーが切り替わり過去の事件をゲームとして追体験させたりする方法もとられています.
まとめ
結局,様々な表現方法を目的に応じて適宜,複合的に組み合わせるとことに落ち着きそうです.適当にストーリーをデザインするのではなく,これらを念頭において自分がどのような雰囲気のゲームにしたいか,どうストーリーを展開したいかを練る必要があると考えられます.
しかし結局は趣味でつくるゲームなので,自分の思想出すことが一番大事だとは思います.
次回はこのような形式的な話ではなく,実際にイベントシーンの実装方法についてまとめていきたいと思います.
それではまた.